絵と詩 小説 フランケンシュタイン

 

(オリジナルイラスト)
 おれは通りすぎようとする子どもを捕らえ、自分のそばに引き寄せた。子どもはおれの姿を見たとたん、両手で目を覆い、悲鳴をあげた。その手を無理やり引き離して、おれは言った。「坊や、大丈夫だ。何もしないから、これから話すことをよく聞きなさい」
 男の子は激しくもがき、「放せ!」と叫んだ。
「坊や、お父さんにはもう会えないんだよ。おれと一緒に来るんだから」
「放せ、化け物!パパは偉いんだからな。フランケンシュタインっていうんだらな」
「フランケンシュタインだと? そうか、おまえはおれの敵の一族なのか。おれが永遠の復讐を誓ったあの男の。ならば、おまえがおれの最初の生贄だ」
            (メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」より)
(ボールペン、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)