絵と詩 四角い卵 サキ短編集より

 

(オリジナルイラスト)

 第一次世界大戦中の西部戦線での物語。ある酒場で出会ったフランス軍の兵士とイギリス軍の兵士が話をしている。フランス軍の兵士は「卵は転がって割れてしまうので不便だが、私は四角い卵を産む雌鶏を創意工夫によって作り上げ、叔母と二人で養鶏場を営み、大きな利益をあげている。ところが戦争によって私は兵隊に取られ、叔母がひとりで商売を続けているが、私には分け前をくれず利益を独り占めにしている。私は訴訟を起こし、弁護士費用を集めているが、貸してくれる人がいない。どうか少しのお金でいいから貸してくれないか」とイギリス軍の兵士に頼み込む。面白い話にイギリス軍の兵士ははじめは引き込まれてしまうが、ラストは「こいつは詐欺師だ」と直感し、うまく逃げてしまう。

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)