絵と詩 モルグ街の殺人 エドガー・アラン・ポー

 

(オリジナルイラスト)

 

 パリのモルグ街のアパートの4階で起こった不思議な密室事件で、二人暮らしの母娘が惨殺されたのである。娘は首を絞められ暖炉の煙突に逆立ち状態で詰め込まれていた。母親は裏庭で見つかり、首をかき切られて胴から頭が取れかかっていた。部屋の中はひどく荒らされていたが、金品はそのままだった。部屋の出入り口には鍵がかかっており、窓も閉まっていた。また多数の証言者が、事件のあった時刻に犯人と思しき二人の人物の声を聞いていて、一方の声は「こら!」とフランス語であったが、もう一方の甲高い声については、ある者はスペイン語、ある者はイタリア語、ある者はフランス語だったと違う証言をする。しかし犯人の一人は意外な生き物だった。

(エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」より)

(水彩、色鉛筆画 縦25㎝×横18㎝)